由緒
創建年月は不詳。以前は大歳神社と称していたが、元禄年間(1688-1703年)有間神社から大己貴命を勧請して山王神社と改称した。
しかし元禄以前の16年(延宝7年)検地帳に「遠坂、山王神社(50間×60間)一町歩除地」と出ていることから、同神社は元は六甲山麓に近い遠坂にあって、神社名も延宝7年の検地以前に改称されたことになる。
1679年、2回にわたり六甲山に大山津波が起こり、上唐櫃一帯も大被害を受けた。
この際に同神社も流失し、再びこのような被害を受けない安全な場所にと現在地に移されたという。
皇太神宮の御神灯
1847年に建てられたもので、表には両皇太神宮と彫られている。この場所は、山王神社の「御旅所」として設けられたもので、同時に伊勢の両皇太神宮の遙拝所でもあった。
すぐそばに「左まやみち」と記された道標が立っているが、この道を行くと、行者道を経て六甲、摩耶へとつながっている。
またこの御神灯の南に、地元では「やくしさん」と呼ばれている薬師如来を祀る石祠がある。